2025年6月28日土曜日

Gerbe 'Carnation'

 Gerbeは120年余続くフランスのストッキングメーカーで、他のブランドにもOEMを行っています。最高級の品質を誇っています。

Carnationは、現在では数少ないフル・ファッションです。

私が好きな色は`Gazzelle' です。肌色ですが他には無い微妙な色合いで肌をきれいに見せてくれます。光沢もあり、脚線を引き立てる効果もあります。肌色系では珍しいと思います。

整った編み目も特徴の一つです。肌触りだけでなく、つり上げるときのテンションの伝わり方も良く、長時間はいてもたるみにくく快適です。疲れにくいのもフル・ファッションの特徴の一つです。

シームがまっすぐに保てるのもCarnationの優れた点です。

比較的細めのなのではいていてあまり意識しません。太いと何か踏んでいるような感触があるんですが、あまり気になりません。

つま先をちゃんと入れれば、 母趾球と小趾球の間のくぼみにシームが来て当たりが弱くなります。

 

黒もすてきです。

ヒールの形はポイント・ヒール です。製品によるのか製造時期によるのか分かりませんが、右の画像はだいぶヒールが長さくなっています。Gazzelleはほとんどヒールが分かりません。

 

 

 

価格がそれなりなので特別な日のストッキングですが、 できればフル・ファッションは常用したいほどのはき心地です。


 

2025年6月21日土曜日

フル・ファッションとの出会い

初めてフル・ファッションをはいたのは、アリストックを手に入れる数ヶ月前でした。

山手線の某駅前商店街を通りかかった時、洋装店の店先のワゴンに古いストッキングがたくさん積んであるのを見付けました。どれも安く何足も買い込みました。シームレスに混じってフル・ファッションもありました。何度か通ううち、倉庫にあるものも出してくれました。

フル・ファッションは3、4種類で、一番多かったのが「カロリナ」でした。

家に帰ってドキドキしながら封を開け足を通すと、パンティ・ストッキングには無い光沢とガラスのように透き通る透明さに驚くとともうっとりとしました。

 ヒールはタワー・ヒール(スクエア・トップ)ですが、薄いこともあり最初は気づきませんでした。ヒールのことを知ったのはアリストックを経験してからです。

シームは硬くて太いのでかかとやふくらはぎに跡が付きましたが、その余韻も楽しんでいました。 

 

 

 

つま先にはロゴがありました。ずっと後になってChristian Diorなどでも見ましたがこの時が初めてでした。

 最近の製品では見ません。

はいている内に擦れて消えてきますが、完全に消える前に他の場所が破れてしまいます。 

 

 

その頃買った物で手元に残っているのは下の三種です。今でもちゃんとはけるのがびっくりです。 

  

その後手に入れたものです。海外通販も含みます。どれも高品質です。


2025年6月16日月曜日

『青春の門』

 これが智さんが紹介してくださった『青春の門』自立編の1シーンです。


 大学の構内で靴磨きをしている学生に無理矢理交代させられて女子学生の靴を磨く場面です。

たしかにスクエア・トップのフル・ファッションです。

1977年当時はまだ売っていたのでしょうか。 

 

 

 

時代設定は1954年です。アツギがシームレスを発売した前年なので時代的にはフル・ファッションだったでしょう。

『青春の門』は五木寛之の自伝的小説で、私は筑豊編から放浪編までの三部を読んだことがあります。ある世代の若者に人気のあった作家で、この小説も当時の若い世代に人気を博したそうです。 

映画化されたのは、筑豊編と自立編です。

 何回かストッキングが登場します。上の画像は主人公の学校の教師が自転車で転倒した場面で、ストッキングをずらし傷を確かめているところです。フル・ファッションかどうか分かりませんが、リング・ガーターを使っているようです。

画像は智さんご提供です。 

現在CATVで放送しています。 

2025年6月14日土曜日

Aristoc 'Harmony Point' について

友人から、鰐淵晴子がTVに出ていたと聞きました。芸能人のことはよく知りませんが、鰐淵晴子さんというと思い出すことがあります。

高校時代、 Aristoc 'Harmony Point' というフル・ファッションがあることを何かの雑誌で知りました。当時既にフル・ファッションの存在自体は知っていましたが、どのようなブランドがあるか、どこで手に入れられるかなどはまだよく知りませんでした。

ある時、静香さんからストッキング専門店Mにあることを教えてもらいました。

土曜の午後だったと思います。学校帰りに、そのお店まで脚を伸ばしました。

店主のTさんから、「このストッキングのことは女優の鰐淵晴子さんから尋ねられて仕入れたもの」と聞きました。昔の役をやるのにストッキングにシーム、それもフェイクではない本物のシームが入ったものでないと、と言っていたそうです。さすがに名女優はそういうところまで手を抜かないのだなと思いました。

後で知ったことですが、アリストックのフル・ファッションは評判が高く、日本でも一部ではありますが知られていたそうです。

何度か通いいろいろなことを教えてもらいました。

アリストックを求めるのは女性だけでなく写真家の男性もいたそうです。ソフト効果を出すための「紗」に好適なのだそうですが、もったいないと思います。新品を切り裂くなんて心が痛みます。せめて破れてはけなくなったものにしてほしいと思いました。

 

幸い私は身長があるのでサイズ的には問題がありませんでした。

その後あちこちで手に入れました。海外通販でも買ってみました。最初からあまり信用していませんでしたが、やはり紛い物がありました。それだけ世界的に評価が高いのだなと思いました。

黒、アリュール(肌色)、ジェントル・スモーク(左)、スレート(グレー)の他、白にラインストーンがあしらわれたものもありました。

黒とジェントル・スモークが気に入っています。
 



2025年6月6日金曜日

お茶のこと(下)

それぞれのお茶には相応しい急須があります。

これは三重県四日市、萬古焼の紫泥の急須です。
紫泥は鉄分を多く含んでおり。釉薬を塗っていないので静岡茶の渋みを吸収します。うちではずっと萬古焼です。

近頃はなかなか本物がないので手に入りにくいようです。多くで回っているのは中国産で、四日市や菰野の土が少なくて古くなったものを再利用したりするそうです。

手に入り安いといえば常滑でしょうか。朱泥が有名で、黒泥でも中は朱泥というのもあるそうです。こちらも静岡茶に合います。

 湯冷ましは必需品です。急須と湯冷ましは常滑、盆は小田原塗り、茶筒は小田原で寛文元年(1661)創業の江島園のものです。

深煎りには金属ネットが目詰まりせず便利ですが、やはり笹目を作っている物がお茶のためにはいいようです。

右は、智さんからいただいた茶飴の箱です。茶箱がいいですね。

宇治茶には朝日焼です。宝瓶という持ち手のない急須で、笹目ではなく急須に穴をけてあります。ほしいとは思いますが、高価ですし、宇治の玉露はあまり飲まないので延ばし延ばしになっていまだに手に入れてません。

そして最後はお茶菓子です。基本浅蒸しの場合はあまり食べません。

私はあんこが好きで、最中が特に好きです。 味も香りも強めの深蒸しが合うようです。


最中は、深川伊勢屋、横浜本牧の喜月堂、岡山芭蕉庵。

芭蕉案は大豆の香りがして最高の最中だと思いますが岡山まで行かないと手に入りません。他の和菓子も上品な味です。さすがは池田公の城下町です。

右端は京都俵屋吉富の雲龍です。抹茶の方が合うと思いますが、どうでしょう。

2025年6月3日火曜日

お茶のこと(中)

私はだいたい毎朝紅茶を飲みます。

もともと緑茶専門でしたが英国に滞在してから飲むようになりました。場所にもよりますが英国の水はは硬度が日本より高く他のヨーロッパ諸国にくらべて低なっています。日本にくらべると香りも色も強く出ますが渋みは低くおさえられ、ミルクに合います。

帰国してから同じ茶葉で淹れたら色も香りも弱く感じられました。水を替えてみたりしましたが、結局水道水が一番という結果に落ち着きました。それでもやはり「弱い」感じがしましたので比較的濃い「イングリッシュ・ブレックファスト」を使っています。


フレーバーティーはあまり飲みませんが、日本の紅茶の中には渋みが少なくストレートに向いたものがあります。


 最近知ったものでは「高梁紅茶」があります。新橋の岡山鳥取のアンテナショップなどで手に入ります。

2025年6月1日日曜日

お茶のこと(前)

先日ずっと愛飲している煎茶を買いに行きました。パッケージが変わり、価格はそうかわらないにに量が減りました。でももっと変わったのが蒸しが「深蒸し」に変わったことです。

東京では静岡茶と狭山茶が多く見られますが、狭山茶は静岡茶よりも甘みが強いのでかなりはっきり「狭山派」と「静岡派」に分かれるようです。

違いは自然条件と製法です。

谷間の朝霧が立つところでは適度に日光が遮られます。静岡の川根、本山(ほんやま)、掛川(の一部)などが有名です。蒸しは浅くさわやかでさっぱりしています。東京で川根茶が人気なのはここにあります。

狭山丘陵や掛川(の多く)牧之原台地のような日の当たる平地では、蒸しを深くして渋みと苦みを抑えます。狭山は火入れ(高温で湿気を飛ばす)をして味を凝縮します。川根茶と人気を二分するのはこの違いです。

うちは静岡の本山(安倍奥)、掛川茶です。

蒸しが深くなったのは茶園が変わったからでしょうか。

玉露は静岡では朝比奈(岡部町)でしょうか。一度だけ味わったことがあります。宇治のようでした。 

最近インバウンドの抹茶人気で碾茶に転換しているところがあるそうです。 

 (画像は静岡川根。いただきものです。) 

抹茶といえば宇治ですが、愛知県西尾は色が濃く香りも高く宇治とはかなり異なります。

ただ西尾の抹茶は東京に持ってきても味も香りも十分に引き出せないでしょう。水が違うからです。宇治も同様ですが、西尾は特にその 傾向が強いと思います。

(画像は西尾です。私が撮りました。) 

もちろん東京でも場所によって水は異なりますが、狭山や静岡が好まれるのはやはり水のせいでしょう。 

Gerbe 'Carnation'

 Gerbeは120年余続くフランスのストッキングメーカーで、他のブランドにもOEMを行っています。最高級の品質を誇っています。 Carnationは、現在では数少ないフル・ファッションです。 私が好きな色は`Gazzelle' です。肌色ですが他には無い微妙な色合いで肌...